時系列分析のすすめ

理論的基盤

局所定常過程

平易に言うと: 「差分を取れば消える」単位根の非定常性とは違い、周期性や分散といった性質そのものが時間とともに少しずつ変わっていく系列を扱う枠組み。

前提知識

利用シーン

日次株価収益率の時変スペクトルに基づく業種ごとの企業クラスタリングなど、構造が緩やかに変化するデータの分類・判別の研究。

単位根過程は非定常性の一形態だが、現実のデータでは分散や周期構造そのものが時間とともに緩やかに変化するタイプの非定常性もよく見られる。Dahlhaus (2000) はこれを局所定常過程として定式化した。

観測時点tを標本サイズnで基準化した相対時刻u = t/nを導入し、時刻ごとに異なるスペクトル構造を滑らかな関数として表現する。

f(u,λ)≡A(u,λ) Ω A(u,λ)∗f(u, \lambda) \equiv A(u, \lambda)\, \Omega\, A(u, \lambda)^{*}

f(u, λ)は時変スペクトル行列と呼ばれる。uを固定すればその近傍では通常の定常過程とみなせるが、uを動かすとスペクトル構造(周期性や分散)が緩やかに変化していく。

分類・判別への応用

2つの局所定常過程の候補モデルf(u, λ)、g(u, λ)のどちらに観測データが従うかを、divergence(距離的な統計量)に基づいて判別する方法も研究されている。日次株価収益率の時変スペクトルに基づき、業種ごとの類似度で企業を階層的にクラスタリングした実証研究例もある。

用語集

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