状態空間モデルとカルマンフィルタ
平易に言うと: 直接は見えない「本当の状態」(例: 真のトレンド、真の位置)を、ノイズの混じった観測値から少しずつ推定していく枠組み。ARMAを含む多くのモデルを統一的に扱える。
前提知識
- 線形代数(行列演算)の基礎
- 条件付き期待値、正規分布の基礎
- [[arima-basics]] ARMAモデルの基礎
利用シーン
GPSやセンサーからの位置推定、需要予測でのトレンド抽出、経済指標の基調把握など、ノイズの多い観測データから背後の状態を逐次推定したい場面全般。
ARMAモデルを含む多くの時系列モデルは、状態の時間発展を表すシステムモデルと、状態から観測値を生成する観測モデルの組として統一的に表現できる。この枠組みが状態空間モデルである。
システム・観測ともに線形でノイズがガウス分布に従う場合、カルマンフィルタにより状態の予測・更新を厳密かつ逐次的に計算できる。トレンド・季節成分・AR成分を状態ベクトルに同居させることで、複数の変動要因を同時に扱えるのが状態空間モデルの強みである。
用語集
- 状態: 直接観測できない、系の背後にある本当の値
- システムモデル(状態方程式): 状態が時間とともにどう遷移するかを表す式
- 観測モデル(観測方程式): 状態から観測値がどう生成されるかを表す式
- カルマンフィルタ: 線形・ガウス型の状態空間モデルで状態を逐次推定するアルゴリズム