自己共分散関数とスペクトル解析
平易に言うと: 時系列に「1年周期」「1週間周期」のような隠れた周期がどれくらいの強さで含まれているかを、時間軸ではなく周波数軸から見つけ出す方法。
前提知識
- [[stationarity]] 自己相関・自己共分散の基礎
- フーリエ変換の直感的なイメージ
利用シーン
季節性の検出、景気循環の周期分析、2つの系列のどちらが先行して動くかの分析(需要と供給、金利と株価など)。
ACFは時間領域で系列の依存構造を記述するが、同じ情報は周波数領域でも表現できる。自己共分散関数をフーリエ変換したものがパワースペクトル密度であり、どの周期の変動が強いかを直接読み取れる。
2系列間の関係: 相互相関
1つの系列内の依存構造を見るACFに対し、2つの系列XとYの間の時間差を伴う関係を見るのが相互相関関数である。ラグの符号によって、どちらの系列が他方に先行するかを読み取れる。
ピリオドグラムによるスペクトル推定
有限長のデータから実際にスペクトルを推定する最も基本的な方法がピリオドグラムである。ただし推定量として一致性を持たないため、実務では平滑化を併用する。
用語集
- パワースペクトル密度: 自己共分散関数をフーリエ変換したもの。周期ごとの変動の強さを表す
- 相互相関関数: 2つの系列間の時間差を伴う相関
- ピリオドグラム: 有限データから求めるスペクトルの基本的な推定量
- 一致性: サンプルサイズを増やすと推定値が真の値に収束する性質