条件付き異分散モデル入門(ARCH/GARCH)
平易に言うと: 値そのものより「値の振れ幅(ボラティリティ)」が荒れる時期と落ち着く時期を交互に繰り返す現象がある。ARCH/GARCHはこの「振れ幅の変化」自体をモデル化する手法。
前提知識
- [[arima-basics]] ARIMAモデルの基礎
- 条件付き期待値・条件付き分散の考え方
利用シーン
金融商品のリスク管理、オプション価格評価、VaR(バリュー・アット・リスク)算出など、値動きの大きさそのものを予測・管理したい場面。
これまでのモデルはデータの平均が過去の情報にどう依存するかを扱ってきた。金融時系列では、変動の激しい時期が持続するボラティリティ・クラスタリングが顕著であり、分散そのものの動学を定式化する必要がある。
ARCHからGARCHへ
ARCHモデルは条件付き分散を過去の誤差項の平方の線形結合で表す。GARCHモデルはこれに条件付き分散自体のラグ項を加え、少数のパラメータで長期的な持続性を表現できるようにした。
平均構造におけるMAモデル(ARCH)をARMAモデル(GARCH)へ拡張したことに相当する。
用語集
- ボラティリティ・クラスタリング: 値動きの激しい時期・穏やかな時期が持続する現象
- 条件付き分散: 過去の情報を条件とした分散。h_tで表される
- ARCH: 条件付き分散を過去の誤差項の平方で表すモデル
- GARCH: ARCHに条件付き分散自身のラグ項を加えたモデル